「Google reCAPTCHAを使ってるけど、最近なんかメールが来てた…」
そんなWordPressブロガーさん、いませんか?
2025年末までに、Google reCAPTCHAは「Google Cloud プロジェクト」への移行が始まります。
この記事では、個人ブログでreCAPTCHAを使っている方向けに、
という疑問にまとめてお答えします。
Google reCAPTCHAからのメール:何が起きるの?
Googleからのメールによると、2025年末までにすべてのreCAPTCHAキーがGoogle Cloudプロジェクトに移行されます。
主な変更点
- Google Cloudで管理されるようになる
- 利用規約や価格体系が統一される
- 利用状況のモニタリング・ログなどがCloudコンソールで確認可能に
- 一部の高度な機能は、新しいAPI(CreateAssessment)を使うことで利用可能
今使っているコードやフォーム設定に、すぐ影響はありません。
Google reCAPTCHA移行で今やるべきこと(チェックリスト)
以下のステップに沿って、自分の状況に合わせて確認・対応していきましょう。
1. 自分のreCAPTCHA利用状況を把握する
- reCAPTCHA管理画面 にログイン
- 現在使用しているサイトキー/シークレットキーの数と、どのドメインで使っているかを確認
- どのreCAPTCHAキーがどのフォーム・サイトで使われているか把握しておく
2.使用量を見積もる(無料枠に収まっているか確認)
今後、Google reCAPTCHAは「Google Cloud」に統合され、新しいプラン体系(Essentials/Standard/Enterprise)が適用されます。
その中で、Essentialsプランでは月10,000件まで無料で利用できる仕組みです。
これを超えると課金対象になるため、自分のサイトがどれくらい使っているか確認しておきましょう。
チェック方法:reCAPTCHA管理画面の「リクエスト数」を確認
- reCAPTCHA管理画面 にログイン
- 管理画面に表示されている合計リクエスト数を確認
- グラフは7日単位・90日単位で表示されるので、30日分をざっくり計算したらOK
- 月間リクエスト数が10,000件未満であれば無料範囲内
- 月30~100件のフォーム送信程度であれば、リクエスト数は数百件程度 → 十分無料で使えます
- ログイン・コメント・検索機能などにもreCAPTCHAを設置している場合は、リクエスト数が多くなることがあるので注意
3. 自動 or 手動で移行するかを判断
状況 | 対応のおすすめ |
---|---|
サイトが1つ、アクセスも少なめ | 自動移行に任せてOK |
複数サイト運営・reCAPTCHAキー複数・月間使用が多い | 手動移行でCloudプロジェクトを自分で指定する |
これらは「今すぐ対応しなければいけない!」という話ではありません。
ですが、「突然課金された」「reCAPTCHAが動かなくなった」などのトラブルを防ぐためにも、今のうちに自分の状況を整理しておくと安心です。
Google reCAPTCHAの自動移行と手動移行の違い
項目 | 自動移行 | 手動移行 |
---|---|---|
移行時期 | Googleから通知後、自動的に実行 | 自分のタイミングで実施可能 |
Cloudプロジェクトの管理 | Googleが自動作成 | 自分で選択・命名可能 |
管理のしやすさ | 分散しやすい(複数プロジェクトになることも) | 一括で集約できて便利 |
おすすめの人 | サイトが1つ・アクセス少なめの人 | 複数サイト・今後の運営も視野にある人 |
Google reCAPTCHA手動移行がおすすめなケース
以下に当てはまる場合は、自分で手動移行した方が安心です。
手動移行の方法(ざっくり)
Googleが自動でCloudプロジェクトを作成する前に、自分でreCAPTCHAキーをGoogle Cloudに紐づけておくと、今後の課金管理や複数サイトの統合管理がしやすくなります。
ただし、2025年8月現在、一部のアカウントでは「手動移行」のUIが表示されていないケースもあります。その場合は、代わりにCloud上で新しいキーを発行する方法を使うこともできます。
以下は、Google公式の移行ガイドページをベースにした手順です。
ステップ1|Google Cloud プロジェクトを用意する
- Google Cloud Console にログイン
- 新しいプロジェクトを作成(例:
my-blog-recaptcha
など) - 左メニューの「課金」から、課金アカウントを有効にする(※無料枠でも登録が必要)
🔸課金アカウントを有効にしていても、月10,000件以下の使用であれば請求は発生しません。
ステップ2|reCAPTCHAキーをCloudプロジェクトに移行
現在、reCAPTCHA管理画面に「Cloudプロジェクトへ移行」などのボタンが表示されていないケースがほとんどです。
これは、Googleが段階的にユーザーを自動移行しているためで、手動操作の対象になっていない可能性があります。
対処方法A:UIで移行できる場合(対象になった場合)
- reCAPTCHA管理画面 にアクセス
- 対象のreCAPTCHAキー(サイト)を選択
- 上部またはサイドに「Cloudプロジェクトに移行」や「Upgrade」ボタンが表示されていれば、クリック
- ステップ1で作成したプロジェクトを選び、移行完了!
対処方法B:UIで移行できない場合
手動移行UIが表示されない場合は、以下のように Cloud上で新しいreCAPTCHAキーを作成して再設定することも可能です。
- Google Cloud Console → プロジェクトを選択
- 「APIとサービス」→「ライブラリ」から
reCAPTCHA Enterprise API
を有効化 - 「reCAPTCHA」設定画面で新しいキーを発行
- WordPressなどにこの新しいキーを設定
ステップ3|APIが有効か確認する
- Google Cloud Consoleにて「APIとサービス」>「ダッシュボード」を開く
- 「reCAPTCHA Enterprise API」が表示されていればOK(表示されない場合は有効化)
フォーム側(WordPressなど)はどうなるの?
- 既存のキーがそのままCloudに移行された場合 → Contact Form 7やプラグインの設定は変更不要
- 新しいキーを発行した場合 → WordPress管理画面で、サイトキー/シークレットキーを再設定する必要があります
※Contact Form 7では「お問い合わせ>インテグレーション」から設定できます。
参考リンク
Google Cloud 無料枠と課金ライン
無料で使える範囲
- 月間10,000アセスメントまでは完全無料(Essentialsプラン)
「ページ表示」ではなく、reCAPTCHAが実際に判定を行った回数です。
例:
- お問い合わせフォームの送信時
- ログインフォームの入力時
- 会員登録・コメント送信 など
つまり、「ユーザーが何かアクションをしたときにreCAPTCHAが動く=1アセスメント」と考えてOKです。
有料になるのは?
プラン名 | 月間アセスメント数 | 料金 |
---|---|---|
Essentials(無料) | 10,000件まで | 無料 ✅ |
Standard(有料) | 10,001~100,000件 | 月額 $8 |
Enterprise | 100,001件以上 | $1/1,000件 |
- 月間10,001件を超えると、自動的にStandardプランへ移行
- 月100,000件まで → 月額\$8固定
- それ以上 → 1,000件ごとに\$1ずつ追加課金
無料のままで大丈夫な人の目安
次のような状況であれば、Google reCAPTCHAのEssentialsプラン(無料枠:月10,000アセスメント)に十分収まります。
利用状況 | 使用目安 | コメント |
---|---|---|
お問い合わせフォームが月30件程度 | 月30アセスメント | かなり余裕あり。基本無料で使えます。 |
月間1,000PVの個人ブログ+フォームあり | 月50〜100アセスメント程度 | 普通のブロガーであれば、これも問題なし。 |
高アクセスなサイトだけどフォーム以外にreCAPTCHAを使っていない | アセスメントは限定的 | 表示回数が多くても、reCAPTCHAが動かなければ課金対象外。 |
ログイン・コメント・会員登録など複数箇所に使っているが、1日数十件の利用 | 月300〜1,000件 | まだまだ無料枠内に収まる可能性が高いです。 |
補足:リクエスト数とPVは違います!
- 「ページの表示回数」ではなく、reCAPTCHAが動作した時=アセスメントとしてカウントされます。
- フォーム送信・ログイン・登録などの「人の操作」があった時だけ増えるので、PVが多くてもアセスメントは少ないことが多いです。
Contact Form 7 を使っている人はどうすればいい?
Contact Form 7でのスパム対策はいくつか方法があります。
ここでは「reCAPTCHAをそのまま使う場合」「reCAPTCHA → Cloudflare Turnstileに切り替える場合」についてをご紹介します。
reCAPTCHAとTurnstileの比較表
比較項目 | Google reCAPTCHA | Cloudflare Turnstile |
---|---|---|
提供元 | Cloudflare | |
料金 | 月10,000件まで無料/超過で課金 | 完全無料(制限なし) |
表示内容 | 画像クイズや「I’m not a robot」などが表示されることあり | 表示なし・自動処理 |
UX(ユーザー体験) | やや手間がかかる場合あり | 非表示でスムーズ |
設定 | Contact Form 7で連携可 | Contact Form 7で連携可 (v6.1以降) |
管理画面 | Google Cloud Console・reCAPTCHA管理画面 |
Contact Form 7でCloudflare Turnstileを使うには、バージョン6.1以上が必要です。
古いバージョンでは対応していないので、先にアップデートしておきましょう。
reCAPTCHAをそのまま使う場合
WordPressでreCAPTCHAを使っている多くの方は、Contact Form 7の「インテグレーション」機能でreCAPTCHA v3を連携していると思います。
Cloud移行後も、Contact Form 7側の設定は基本的にそのまま動作します。
ただし、reCAPTCHAキー自体がGoogle Cloudプロジェクトに紐づけられるため、
- 手動移行した場合:自分で指定したCloudプロジェクトに紐づく
- 自動移行された場合:Googleが自動作成したプロジェクトに紐づけられる
【reCAPTCHAをそのまま使う場合の対策】
- reCAPTCHAの管理画面 でどのプロジェクトに紐づいているかを確認
- 必要があれば、Contact Form 7の設定画面で「サイトキー・シークレットキー」を差し替えるだけでOKです
reCAPTCHA → Cloudflare Turnstileに切り替える場合
もし「課金リスクを避けたい」「画像クイズを表示させたくない」などの理由で、reCAPTCHAを使い続けたくない場合は、Cloudflareが提供する無料のボット対策サービス「Turnstile」がおすすめです。
というのも、この「Turnstile」は、Contact Form 7公式からも推奨されています。
これから導入する方や、Cloud移行に不安がある方は「Cloudflare Turnstileを優先的に検討すること」をおすすめします。
参考:Cloudflare Turnstile インテグレーション | Contact Form 7 [日本語]
Contact Form 7でCloudflare Turnstileを使うには、バージョン6.1以上が必要です。
古いバージョンでは対応していないので、先にアップデートしておきましょう。
Cloudflare Turnstileとは?
- Google reCAPTCHAと同じく、スパム防止機能を提供する仕組み
- 画像選択・チェックボックスが不要で、ユーザー体験が良い
- 完全無料で使用可
- 多くのWordPressプラグインで対応済み
- Cloudflareアカウント(無料で作成可能)が必要
参考:Turnstile公式サイト → https://www.cloudflare.com/products/turnstile/
Cloudflare Turnstileの設定方法(Contact Form 7編)
Cloudflareアカウントを作成
Turnstileの設定
- Cloudflareダッシュボードにログイン
- メニューから「Turnstile」へ
- 「Create site」をクリック
- 以下を入力
- Site name:任意(例:ブログ用フォーム)
- Domain:自分のサイトのドメイン(例:example.com)
- Widget Type:「Managed」を選択(通常はこれでOK)
- 完了後、「Site key」「Secret key」が発行されます
WordPressに設定(Contact Form 7)
- WordPress管理画面 → 「お問い合わせ」>「インテグレーション」へ
- 「Cloudflare Turnstile」項目の「インテグレーションのセットアップ」をクリック
- Site key/Secret keyを入力して保存
Contact Form 7のCloudflare Turnstileインテグレーションでサイトキーとシークレットキーを設定したら自動的にお問い合わせに「Cloudflare」が表示されボットから守ってくれます。
ただ、フォームの先頭に表示されてしまうので、表示場所を変えたいということでしたらフォーム内の表示させたい場所に[turnstile]
を入れるようにしてください。
reCAPTCHA または Cloudflare Turnstileどちらを選べばいい?
状況 | おすすめ |
---|---|
月間アセスメントが10,000件未満・Google Cloudに抵抗なし | reCAPTCHA(そのまま or 手動移行) |
無料でずっと使いたい/管理がシンプルな方がいい | Turnstile(切り替え推奨) |
ユーザーに画像クイズなどを出したくない | Turnstile(非表示でUX良好) |
ちなみに、私の場合は…
私は複数のWordPressサイトを運営しているため、移行対応もサイトごとに分けて行いました。
- 一部のサイトは、Cloudflare Turnstile に切り替えました。
- 特にこの「ゆかブログ」は、アセスメント数が比較的多めだったので、無料で使い続けられるよう Turnstileに変更しています。
- 一方で、アクセスが少なく、今後も無料枠に収まりそうなサイトについては、reCAPTCHAのまま継続利用中です。
無理に一括で移行せず、サイトごとの状況に合わせて判断した形です。
このように、サイトの規模・用途・アクセス数によって、reCAPTCHAを残すか、Turnstileに切り替えるかを柔軟に決めるのが安心です。
まとめ|reCAPTCHA移行、慌てず対応すれば大丈夫
Google reCAPTCHAのCloud移行は、すぐに対応しなければならないものではありません。
ですが、「気づかないうちに課金されていた」「設定が壊れてフォームが動かない」などのトラブルを防ぐためにも、今のうちに自分の状況を整理しておくのが安心です。(>Google reCAPTCHA移行で今やるべきこと)
特に…
- 複数サイトを運営している人
- 月間アクセスやフォーム送信が多めの人
- 無料のまま使い続けたい人
は、このタイミングでCloud側の確認やTurnstileへの切り替えを検討しておくのがベストです。
Contact Form 7はどちらにも対応しているので、無理に難しい移行作業をする必要はありません。
この記事を参考に、あなたのブログに合った対処法を選んでみてくださいね。